さすぺんすには、がけがひつよう。
こんにちは。またまたイビキのお兄さんのイビキがうるさく、ずっとペチペチと叩いていた、不眠のゆきんこです。
今日はどうやら、サワラが私を探しているようです。
サワラ「自動餌やり湯たんぽ、どこに行ったの?マグロ缶が食べたいんだけれど」
サワラ「あら、いないわね。外にでも行ったのかしら?」
サワラ「ねぇ、自動餌やり湯たんぽがどこに行ったか知らないかしら?」
いわし「ぜんぜん、しりません。サワラ姐さんが、いじわるだから、いやになったのではないだろうか。」
サワラ「は?私のどこが、意地悪だって言うのよ」
いわし「こういうところだ。すぐ、ぼうりょくをふるうし。」
サワラ「それは、アンタが無駄に失礼な事を言うからよ」
サワラ「落ち着いて、ちょっと推理をしてみるわ。アンタ、そういえば1度も鳴いてないわね?」
いわし「はい。ぼくはおとななので、なきません。」
サワラ「まず、それがおかしいのよね。アンタは、自動餌やり湯たんぽがいなくなると、ピーピー鳴くわ」
いわし「あっ。たしかに、とてもなく。たとえそれが、といれでも。」
サワラ「トイレくらい、ゆっくりさせてあげなさいよ。…以上のことから、まずアンタは自動餌やり湯たんぽがいなくなっていないことも、どこにいるのかも知っているはずよ」
いわし「サワラ姐さんは、あたまがよかったのか。やはり、みかけではんだんするのは、よくない。」
サワラ「バカ。私は見た目も頭が良さそうよ。…そしてその背景…何かひっかかるわ。…分かったわ。犯人は…」
サワラ「アンタね」
いわし「いえ。ぼくはちょっと、なにもしらない。」
サワラ「あのね、もう自動餌やり湯たんぽが映っちゃってるじゃない。アンタ、背中に乗っかってるでしょう。ここまできてしらばっくれても、何も得をしないわよ」
いわし「ぼくをうんでそだててくれた、たいせつなおかあさんに、そんなことをできるわけがない。」
サワラ「少なくとも、アンタを産んだのは自動餌やり湯たんぽじゃないわよ」
私「あぁ、すいません。急に眠気がきて…ちょっと眠っていました。2人ともケンカしないで、仲良くしていましたか?」
サワラ「ケンカしてないわよね?」
いわし「うわ、でた。すごい、おーらだ。さからうことができない。」
サワラ「今日はね、探偵ごっこをしていたのよ。もちろん探偵は私よ。頭がいいから」
私「そうなんですねぇ。楽しそうです。起きていればよかったですね。いわしさんは、何役ですか?近所の小学生役とか、合いそうですねぇ」
いわし「さつじんはんの、やく。これは、だれにでもできる、やくではない。」
私「いわしさんが、殺人犯の役を?…殺人事件ごっこをやっていたんですか?物騒ですねぇ。火サスですね」
いわし「かさす?」
私「火曜サスペンス劇場ですよ。だいたい、追い詰められた犯人が崖に行って、船越英一郎か片平なぎさが犯人を優しく問い詰めるんです」
サワラ「そうだ、崖だわ。崖が足りなかったのよ。崖から突き落としてやればよかったんだわ」
私「サワラさん、冷蔵庫から降りて下さい。私もそこは届かないんです。
あと、船越英一郎や片平なぎさは、突き落としたりしませんよ。たまに、犯人が自分で飛び込んだりしますけど。」
いわし「かようさすぺんすには、がけがひつようなのか。べんきょうになった。」
私「それよりも、もっと覚えてほしいことがたくさんありますけど…。人間のコップの飲み物を飲まない、とか、テーブルの上のコップを倒さない、とか…」
いわし「じゃじゃじゃ、じゃじゃじゃ、じゃ、じゃーーん」
私「いつも通り、寝ましたね。そして何故か、火サスの音楽を歌っていますね」
サワラ「気持ちよさそうに寝ているんだから、そのままにしてあげればいいじゃない」
私「サワラさん、いつになくいわしに優しいですね。私の目は誤魔化せませんよ。犯人には、ならないで下さいね」
サワラ「分かったわよ。早くマグロ缶をちょうだい」
私「それは、イビキのお兄さんが帰ってきてからですよ。いわしを隔離しないといけないですから。いわしを1人にすると、ピーピー鳴きますからね」
まさが自分が死体役になっていたとは思いもよらず、探偵ごっこは楽しそうだけど、みんなが楽しめる遊びをしていてくれたら嬉しいなぁ、と思うのでした。
ではでは。